日本独自の投資文化として根強い人気を誇る「株主優待」。企業が株主へ感謝の気持ちを込めて贈る品々や割引券は、投資の楽しみを格段にアップさせてくれますよね。しかし、甘い言葉に惑わされて優待目当ての投資に飛び込むと、思わぬ落とし穴にハマってしまう可能性も潜んでいます。
そこで今回は、株主優待投資のデメリットについて詳しく掘り下げ、賢く投資を成功させるための回避策もご紹介します。
1. 高値掴みのリスク
多くの投資家が経験するのが、権利確定日(優待がもらえる権利確定日)前の 「優待権利取り」 と呼ばれる現象です。権利確定日を前に、優待取得を目的とした投資家が殺到し、一時的に株価が吊り上げられるのです。
せっかく優待をゲットできたとしても、買った値段よりも高い価格でしか売れない状況では、 せっかくの利益が吹き飛んでしまう ことになります。
2. 企業業績悪化による優待改悪・廃止
株主優待は、企業にとって 「株主還元策」 の一つです。業績好調であれば充実した優待内容を維持できますが、業績が悪化すれば、優待内容の 改悪や廃止 につながる可能性もあります。
特に近年は、企業を取り巻く環境変化が激しく、業績悪化のリスクが高まっています。優待目当ての投資であれば、業績チェックを怠ると、思わぬタイミングで優待がなくなってしまうという 痛い目に遭う ことになりかねません。
3. 投資対象の分散不足
優待内容に魅力を感じて、つい多くの資金を一つの銘柄に集中投資してしまう投資家も少なくありません。しかし、これは 投資対象の分散不足 という大きなリスクを伴います。
もし、その企業が業績悪化に陥ったり、不祥事などを起こしたりした場合、 株価が暴落する可能性 が高くなります。最悪の場合、投資資金の大半を失ってしまうことも考えられます。
4. 優待券の有効期限切れ
せっかく苦労してゲットした優待券も、 有効期限 を過ぎてしまえばただの紙切れです。ついつい忘れがちになりますが、優待券は有効期限内に使い切ることが重要です。
特に、複数の企業の優待券を保有している場合は、 管理が煩雑 になりがちです。有効期限切れを防ぐためには、カレンダーなどに書き込んでおくなど、 計画的な管理 を心がけましょう。
5. 信用取引のリスク
信用取引を利用して優待権利を取得しようとする投資家もいますが、これは非常に リスキーな方法 です。信用取引は、金利が発生するだけでなく、思わぬ値動きで 大きな損失を被る 可能性があります。
優待取得のために信用取引に手を出すのは 絶対に避けるべき です。
まとめ:優待はあくまでおまけ! 長期的な視点で投資を
株主優待は、投資の楽しみの一つとして賢く活用することは可能です。しかし、決して 投資の目的そのもの にすべきではありません。
長期的な視点で企業の成長性を評価し、業績や財務状況などをしっかりと分析した上で投資判断を行うことが、 成功への近道 です。
優待に惑わされず、 冷静な判断 を忘れずに、着実に資産形成を進めていきましょう。